ドレスウォッチにモダンな解釈を与えたアーミン・シュトロームの新作「トリビュート1」
アーミン・シュトロームは、クラシカルなドレスウォッチを同社の感性によって再解釈した新作「トリビュート 1」を発表した。直径38mm、厚さ9mmという控えめなケースに、手作業による仕上げを与えた手巻きの自社製ムーブメントを搭載する。今回のファースト・エディションは25本のみが製作される。
薄型という初の試み
アーミン・シュトロームは、スイスのビエンヌに本社を置く独立系のスモールブランドだ。ムーブメントのスケルトン加工を得意とするアーミン・シュトロームという人物によって1967年に設立された。後に2006年に実業家のサージュ・ミシェルとウォッチメーカーのクロード・グライスラーによって引き継がれ、創業者の精神を継承する時計づくりを行っている。
また09年には、さまざまな設備を導入して社内一環製造を実現するマニュファクチュールとして大きく生まれ変わった。現在では設計開発から部品加工、ダイアル等のエンボス加工、パーツのメッキ加工、手仕上げ、そして組み立てまでを行い、全ての時計に自社ムーブメントを搭載している。
アーミン・シュトロームはムーブメントをデザインの一部として取り入れた、現代的なスケルトンウォッチを数多く製作してきた。ダイアル側に脱進機やマイクロローター、レゾナンス機構などのメカニズムを露出させた前衛的な外観を作り上げるのは、アーミン・シュトロームのお家芸である。
アーミン・シュトローム「トリビュート 1」
手巻き(Cal.AMW21)。21石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約100時間。SSケース(直径38mm、厚さ9mm)。50m防水。
スーパーコピー時計 N級 代引きそんな同社が新たに発表した「トリビュート 1」のテーマは「ドレスウォッチ」だ。一般的に、時刻表示以外の機能を省いたシンプルなデザインで、クラシックで小ぶりな薄型ケースに収められたムーブメントには、美しい仕上げが施されている、というのが高級時計におけるドレスウォッチの主な解釈だ。そこに同社らしい要素を加えたのが本作である。
昨年発表された「レディビート」を除いてケースの直径は40mm以上で、厚さは10mmをはるかに超えるものばがりだった。ケースの厚さが10mmを切る、エレガントなドレスウォッチの製作は、同社にとって初の試みだったのだ。
ウォッチメーカーのクロード・グライスラーは次のように語った。
「モダンなデザインと感性の中に散りばめた最高の手作業による仕上げ、それがこのドレスウォッチのリバイバルのキーポイントです」
丹念に仕上げられたムーブメント
オフセンターに配置したインダイアルと、香箱をダイアルの開口部から見せるという特徴的なデザインは、これまでのモデルにも通じるモダンな印象を感じさせる。ステンレススティール製のケースは直径38mmで、厚さは9mmまで抑えられた。加えてリュウズを2位置に配したことも初めてで、着用時でもリュウズ操作がしやすく、手首と干渉しにくいなどの利点をもたらす。
ダイアルの開口部から鑑賞できる香箱の表面には、約100時間のパワーリザーブを持つことを示す文字をレーザー加工機で施した。
トリビュート 1に搭載された新開発のキャリバーAMW21で特筆すべきは、手作業によって施された美しい仕上げだ。ダイアル側で香箱を支えるバレルブリッジはホワイトゴールド製で、全面を鏡面に仕上げるには12時間を要するという。またケースバック側の輪列を支えるブリッジやテンプ受けには約60°の角度で面取りが施される。形状が複雑であるため通常と比べて倍近くの時間を要している。
ムーブメントの約4分の3を覆うブリッジの表面にはコート・ド・ジュネーブ装飾、地板にはペルラージュ装飾、穴石の周囲にはポリッシュを施し、妥協のないハイグレードな仕上がりだ。
今度展開される多彩なバリエーション
今回発表されたトリビュート 1はファースト・エディションで、ごく少数の25本のみが製作された。できるだけ価格を抑えたことと同時に、本作に限っては保証期間を通常の2倍である10年間に延長されている。
また、ファースト・エディションの発表から約2カ月後には、マニュファクチュール・エディションの発表が予定されている。2種類のステンレススティールモデルと、1種類のゴールド製モデルがラインナップされ、各モデル80本が製作される。加えてスペシャル・エディションも随時発表予定で、ダイアルの素材や仕様を変更されるほか、エングレービング等の職人技を駆使した装飾が予想される。
さらに、アーミン・シュトロームが展開するパーソナライズサービス「コンフィギュレーター」にも、トリビュート 1が追加される予定だ。好みのカラーリングや豊富なオプションを選択することで、自分好みの1本を製作できるというものである。
ファースト・エディションだけにとどまらず、今後の展開にも注目したいトリビュート 1。ドレスウォッチにモダンな解釈を加えるという新たな試みを実現し、アーミン・シュトロームらしいモデルに美しく仕上げられた。